字幕起こしとは、オーデイオや映像コンテンツに含まれる話し言葉を文字として書き起こし、それを字幕として表示する作業のことを指します。字幕起こしは、動画コンテンツを視覚的に補完するために行われ、たくさんの分野で利用されています。
賑やかな場所で音声が聞き取りにくい状況でも内容を理解できます。
外国語学習者にとって、字幕があれば、学習中の言語を勉強や理解しやすくなります。
動画の字幕や文字起こしをウェブページに追加することで、検索エンジンが内容をインデックスして、SEO効果がでます。
字幕や文字起こしを使ってブログ記事やレポートなど、他の形式のコンテンツに再利用できます。
字幕があれば、聞き逃した部分や理解が曖昧な部分を簡単に確認できます。
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動画作成者がよく使うツール、ビジネス会議に重要なソフトとWebブラウザの拡張機能とした自動字幕起こしをそれぞれ紹介します。
Filmoraは、Wondershareが提供する人気の動画編集ソフトで、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに高く評価されています。
16言語対応可能な自動字幕起こし機能が搭載されていて、字幕テキストのデザインも色々あります。
それ以外に、テキスト読み上げ機能も設定可能で、声の性別、音声の速度とピッチを調整することによって、動画が面白くなります。
Filmoraの自動字幕起こし機能は、難しいテクニックは必要無く、直感的な操作で字幕付き動画を作成できます。
ただし、残念ながら、自動字幕起こし機能はFilmoraのプレミアム機能として提供されています。料金表は以下のようになります。
<Filmora 料金プラン>
<Filmora 自動字幕起こし(STT)プラン>
自分のニーズ合わせてプランを選びましょう。
Vidnozは動画内の音声を自動的にテキストに変換し、字幕として表示する機能を提供しています。
ブラウザだけでなく、アプリまたはPCに標準搭載されたプレーヤーに流れる音声も自動字幕起こし可能で、オフラインであっても、動画を流れる際に英語字幕を付けることもできます。
日本語だけでなく、多国言語に対応し、文字起こししたテキストを同時に翻訳できます。
精度が高いとは言えますが、100%とは言えないのが現状です。また、自動字幕起こしで文法や句読点の挿入が正確でない場合があり、その際は手動で修正する必要があります。
CapCutは、ByteDance(TikTokの親会社)が開発した人気動画編集アプリで、特にモバイルユーザーにとってとても使いやすいツールです。
CapCutの自動字幕機能は、動画内の音声を自動的に文字起こしし、字幕として動画に追加します。この機能は、ソーシャルメディア向けの短い動画やコンテンツを制作する際に役立ちます。
無料で自動的に動画文字起こしが可能で、クレジットカード不要なので、TikTokやインスタの投稿に超すすめです。
その一方、CapCutの精度は字幕起こしソフトとは比べられず、長時間の動画や高解像度の動画では処理速度が低下することがあります。
ユーザーは基本スマホで操作するため、小さい画面での細かい編集はやりにくいことがあり、複雑な編集作業には不向きな場合があります。
PowerDirectorは、CyberLink社が開発したビデオ編集ソフトウェアで、操作が面がわかりやすく、初心者でも自由に使えます。
WindowsおよびmacOSで利用可能で、特にWindowsユーザーに人気があります。トップクラスの動画編集ソフトと言っても過言ではありません。
動画の音声から自動で字幕用のテキストを生成でき、9言語も対応できますが、PowerDirectorの自動字幕起こしは本当に小さな機能として搭載されていますので、あまり期待を抱かないほうがいいと思います。
また、出力ファイル形式はSRTのみで、制限があることは要注意です。
YOMELは、音声認識技術を活用した自動字幕起こしツールです。
音声や動画のデータをアップロードするだけで、自動的に字幕を生成する機能を提供しています。特に日本語の認識精度に優れて、会議、講演、インタビュー、動画制作など、さまざまな場面に対応しています。
専門用語や固有名詞の認識精度も高く、ビジネスや技術分野での使用に適しています。データは安全に処理されるため、プライバシーやセキュリティの面でも安心です。
不足点としては、クラウドベースのサービスであるため、インターネットに接続しないと利用できません。
また、YOMELは日本語に特化しているため、他の言語の音声認識精度は低下になってしまう恐れがあります。多言語での使用を検討している場合は、他のサービスと併用する必要があるかもしれません。
Rimoは、リアルタイムで音声を認識して即座にテキストに変換するため、ライブイベントや会議の進行中に文字起こしを行うことができます。ビジネス、教育、研究などの分野で活躍しています。
生成されたテキストをTXT、SRT、DOCX形式でエクスポート可能で、他のツールやソフトウェアと連携できます。自動文字起こしされたテキストの編集も簡単で、必要に応じてカスタマイズが可能です。
ビジネス用途での大量利用の場合、コストを事前に考慮しないといけません。高機能なサービスや大量のデータを処理するためには有料プランに加入する必要があります。
下記料金表をご参照の上、どれが一番自分に向いているのかをご判断ください。
どのプランも自動話者分離の機能が付いていますが、話者のアクセントや発音、話し方の速度によっては誤認識が発生することがありますので、注意しておきましょう。
Nottaは、音声認識とAI要約機能を使って文字起こしに強みを持っています。
98.86%の高精度で、1時間の音声をわずか5分で文字起こしでき、リアルタイムでの文字起こしや音声・動画ファイルの自動文字起こしなどに対応しています。
出力形式も多様で、テキスト(.txt)、Word(.docx)、字幕用テキスト(.srt)、PDF(.pdf)、EXCEL(.xlsx)が選択できます。
料金プランも優しく学生・教職員向けの半額割引を提供し、教育界に大きな貢献をしました。
不足なところとしては、字幕起こしソフトの通弊でもありますが、録音環境が悪い場合、認識精度が低下することがあります。
また、生活音も拾ってしまったり、早口でテキスト化できなかったりする場合がありますので、最終的な確認作業は必要です。
ソフトをインストールしたくない方には、以下2つの軽量な自動字幕起こしツールを推奨します。
Google Chromeの「自動文字起こし機能(Live Caption)」は、ブラウザ上で再生される音声コンテンツに対してリアルタイムで字幕を生成する機能です。
この機能は、音声の内容を自動的にテキストに変換し、画面上に表示することで、動画や音声ファイルを視聴する際のアクセシビリティを向上させます。
完全に無料で自動字幕起こし機能を利用したい場合、Google Chromeの「自動文字起こし機能」をおすすめします。
<設定手順>
Google Chromeの「自動文字起こし機能」を有効化にする手順は以下の通りです。
Step 1:Google Chromeを開く
Step 2:設定メニューにアクセスする
Step 3:画面右上の「︙」(縦の3点)をクリックして、ドロップダウンメニューを開きます。
Step 4:メニューの中から「設定(Settings)」を選択します。
Step 5:設定ページが開いたら、左側のサイドバーから「アクセシビリティ(Accessibility)」を選択します。
※サイドバーが表示されていない場合は、画面右上の検索バーに「アクセシビリティ」と入力して、該当の設定項目を見つけることができます。
Step 6:「自動文字起こし(Live Caption)」というオプションを見つけます。
Step 7:そのオプションの横にあるスイッチをクリックして有効にします。スイッチが青色に変われば、有効化されています。
YouTubeの字幕起こし機能を利用することで、動画の内容を文字として表示することだけではなく、聴覚支障者でも動画の面白さを十分に楽しめる存在です。
また、クローバル化のYouTubeは、たくさんの言語が対応でき、世界中のユーザーがこのサイト経由で情報を収集できます。
<設定手順>
Youtubeで自動字幕機能を使う方法は以下の通りになります。
Step 1:YouTube にアクセスして好きな動画を開きます。
Step 2:YouTube動画画面の左下のメニューから「字幕」を選択する
Step 3:設定ボタンで字幕の言語などを設定します。
Step 4:動画をプレーヤーするとともに字幕を自動的におこします。
上記2つのツールは該当ブラウザに限られていますので、他のウィンドウでも字幕起こしされたい場合は、前文に紹介したソフトを選んで、合わせて文字起こし作業をやらせていきましょう。
自動字幕起こしは、多岐にわたる場面で活用されていて、映像や音声コンテンツのアクセシビリティを向上させ、視聴者の理解を助けに重要な作業です。
正確でタイムリーな字幕起こしを行うことで、幅広い視聴者に対してコンテンツの価値を最大限に伝えることができます。
ただ、いくら優秀なツールでも、確率的に文字起こしに100%の精度を求めることは非常に困難なため、最後は人の確認や修正が必要になってきます。
動画作成でもビジネス運用でも、自分のニーズに一番合うソフトを選ぶのは重要です。