RIFEフレーム補間は、前後の画像から動きを推定し、中間のフレームを生成する技術です。動きの滑らかさを変える処理であり、解像度を上げる処理とは異なります。Windowsで画面操作を中心に進めるならFlowframes、自動化するならコマンドライン、設定を一つの画面で管理したいならUniFabが向いています。

RIFEとは何か:AIフレーム補間の現在地
RIFEは、AIでフレーム間の動きを推定する映像補間アルゴリズムです。フレーム補間の仕組みは、撮影済みの画像の間に新しい画像を作り、表示するコマ数を増やすことにあります。
輪郭の移動を推定して中間フレームを生成しますが、速い動きや被写体の重なり、場面の切り替わりでは形が崩れることがあります。私は、フレームレートの数字だけで選ぶより、輪郭が動く短い場面を見比べることを勧めます。アニメの線画とスポーツ映像では、確認すべき動きも異なります。
OS・GPU別に選ぶRIFE実装ルート

RIFEを使うフレーム補間ソフトは、OSとGPUの実行環境で選びます。画面から操作するGUI、処理を組み合わせるComfyUI、画像列を扱うコマンドラインでは、準備するものが異なります。
| 実装ルート | 対応OS | 主な実行基盤 | 用途 | 更新状況・位置づけ |
|---|---|---|---|---|
| Flowframes | Windows | CUDA・Vulkan | 画面操作で動画保存 | 更新継続 |
| ComfyUI RIFE VFI | 導入環境に対応 | ノードの対応GPU | 処理の組み合わせ | 現行のノード経路 |
| Mac向けRIFE自動化 | macOS | ncnn・Vulkan対応構成 | 画像列の一括処理 | 旧実装を使う経路 |
| リアルタイム再生 | 対応プレイヤーのOS | VapourSynthなど | 再生中の補間 | SVP公開版は旧版 |
| Smoother AI | Windows・Mac | GPU加速 | 60fps・120fps出力 | 一体型の製品 |
2026年9月時点では、Flowframesは2026年9月16日に更新されています。一方、rife-ncnn-vulkanの最終コミットは2022年10月23日、SVP 4.7.0.302の公開日は2025年8月20日です。後者の二つは旧版の実装として扱い、更新が続くFlowframesや現行のComfyUI経路とは区別して選びましょう。
Windowsで動画を保存する作業から始めるなら、Flowframesの画面操作が取り組みやすい選び方です。NVIDIA向けのCUDAと、AMD・Intelも対象になるVulkanは別の実行基盤です。GPUのメーカー名だけで判断せず、選んだ実装がそのGPUとドライバーに対応するかを確認します。
WindowsでFlowframesを使う
Flowframesは、RIFEによる補間から動画の書き出しまでを画面上で進めるWindows向けツールです。英語表示でも、入力動画、モデル、出力フレームレート、保存先を順に設定できます。日本語化のために配布元の不明な実行ファイルへ置き換えるのは避け、画面の項目名を手掛かりに操作しましょう。
MacとComfyUIでRIFEを動かす
MacではFlowframesのWindows向け手順をそのまま使わず、Mac向けの自動化スクリプトかComfyUIのRIFE VFIノードを使う経路を選びます。ncnnを使う自動化は、旧実装とFFmpegを組み合わせる構成です。
ComfyUIでは、ノードと実行環境の対応が必要です。Apple Siliconを使う場合も、ノードのGPU対応と起動ログを確認します。CUDA専用の構成をMacへ移すだけでは動きません。すでにComfyUIで動画を処理しているなら、同じワークフローに補間を組み込む使い方が向いています。
リアルタイム再生とSVPの位置づけ
リアルタイム補間は再生中にフレームを作る方式で、MP4として書き出す処理とは別です。SVPは再生環境を構成するソフトであり、RIFEは補間のアルゴリズムです。両者を単純な画質の優劣で比べることはできません。
プレイヤーとVapourSynthなどの連携、対応するGPUの設定が必要です。再生に処理が追いつかないときは、入力解像度や目標フレームレートを下げて切り分けます。別の端末でも同じ動画を見たいなら、先にファイルへ書き出す方が扱いやすいでしょう。
RIFEをGUIで動かす:Flowframesを使った簡単設定と書き出し
Flowframesでは、入力、モデル、目標フレームレート、保存形式の順に設定します。最初は短い動画を使い、処理後の映像と音声を確認してから長い素材へ進めましょう。
入力とAIモデルの選択
Flowframesを起動し、補間したい動画を読み込みます。モデル一覧から、その環境に導入されているRIFEモデルを選択します。RIFE v4という系統名だけでなく、一覧に表示されるモデルの版も確認してください。
モデル名にアニメ向けと書かれているだけで、線画の崩れを防げるとは限りません。同じ短い場面を処理し、輪郭の揺れや被写体が重なる部分を見比べて選びます。
フレームレートの設定
出力先の再生環境に合わせて目標フレームレートを決めます。24fpsを2倍にするなら48fpsです。60fpsを目標にするときは、単なる2倍設定ではなく、その出力フレームレートを指定できる設定を使います。
60fpsは滑らかな動きを見たいときの候補ですが、すべてのディスプレイの更新頻度と一致するわけではありません。元の動きの印象を残したい映像は、倍率を上げる前にプレビューで判断しましょう。
MP4保存とエンコード設定
音声付きのMP4保存には、コンテナ、映像コーデック、固定フレームレート、音声の引き継ぎをそろえる必要があります。補間だけ完了しても、保存設定が合わないと音ズレや再生互換性の問題が残ります。
- 保存形式をMP4にします。コンテナは映像と音声をまとめる入れ物です。
- 再生する端末に合わせて映像コーデックを選びます。H.264を使うか、HEVCに対応した端末向けに書き出すかを決めます。
- 補間後のフレーム数に合う固定フレームレートを指定します。スマートフォンなどの可変フレームレート素材は、長さを保って固定フレームレートへ変換してから処理します。
- 音声を引き継ぐ設定を有効にし、MP4へ収める音声形式も確認します。完成後は冒頭と終盤の音声を確認します。
NVIDIAのGPUで使うNVENCと、ソフトウェアエンコーダーのCRFは同じ品質設定ではありません。CRFでは数値を小さくすると高画質寄りになりますが、NVENCでは選択した品質モードに対応する項目を調整します。
RIFEをコマンドラインで使う:FFmpegと画像列の手順

rife-ncnn-vulkanは、連番画像を入力して補間画像を出力する旧版の実装です。最終コミットは2022年10月23日で、現在更新されているツールと同じ位置づけではありません。既存の画像列処理を自動化する場合は、FFmpegで動画と音声を分離し、補間後に再結合します。
次の例はWindowsのPowerShell用です。FFmpegとFFprobeを実行できる状態にし、rife-ncnn-vulkanの実行ファイルと同梱モデルを同じ作業環境に置きます。入力は固定フレームレートのinput.MP4とし、各処理が成功したことを確認してから次へ進みます。
動画を画像列と音声に分ける
- 空の入力・出力フォルダーを作成します。以前の画像が残ったフォルダーを使うと、フレーム数の計算に混ざります。
New-Item -ItemType Directory -Path input_frames, output_frames - 動画から連番のPNG画像を抽出します。
ffmpeg -i input.mp4 -an input_frames/%08d.png - 音声を分離します。元の音声がM4Aへ格納できる形式なら、そのままコピーします。
ffmpeg -i input.mp4 -vn -c:a copy audio.m4aM4Aと互換性のない音声は、抽出するこの段階でAACに変換します。
ffmpeg -i input.mp4 -vn -c:a aac audio.m4a上の音声コマンドはどちらか一方を使います。音声のない素材では、この工程を省略します。
補間後にMP4へ再結合する
画像列を補間し、出力されたファイル名とフレーム数を確認します。次の例の-fは出力ファイル名の形式であり、補間倍率ではありません。
.\rife-ncnn-vulkan.exe -i input_frames -o output_frames -f %08d.png
FFmpegへ渡す%08d.pngは、実際に生成された8桁の連番PNGと一致させます。拡張子や桁数、先頭の番号が違う場合は、ファイル名の形式と-start_numberを合わせてください。
再生時間を保つには、出力フレームレートを「補間後の総フレーム数 ÷ 元動画の映像の長さ(秒)」に合わせます。任意の目標値を入れるだけでは、再生時間が変わります。たとえば24fpsの素材で長さを変えずにフレーム数を2倍にした場合は48fpsです。
次のPowerShell例では、出力された画像数と元の映像ストリームの長さから値を求めます。映像の長さが数値で取得できる素材を使い、画像の欠番がないことを確認します。
$FrameCount = (Get-ChildItem output_frames -Filter *.png).Count
$Duration = [double]::Parse((ffprobe -v error -select_streams v:0 -show_entries stream=duration -of default=noprint_wrappers=1:nokey=1 input.mp4), [System.Globalization.CultureInfo]::InvariantCulture)
$TargetFps = ($FrameCount / $Duration).ToString([System.Globalization.CultureInfo]::InvariantCulture)
$StartNumber = [int](Get-ChildItem output_frames -Filter *.png | Sort-Object Name | Select-Object -First 1).BaseName
ffmpeg -framerate $TargetFps -start_number $StartNumber -i output_frames/%08d.png -i audio.m4a -map 0:v:0 -map 1:a:0 -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p -c:a copy output.mp4
音声のない素材では、-i audio.m4a、-map 1:a:0、-c:a copyを外します。完成したMP4は、元動画と映像の長さを比較し、音声付きなら冒頭と終盤の同期も確認しましょう。
RIFEフレーム補間でアニメの破綻を防ぐ

アニメのフレーム補間では、場面転換と意図的に止めた絵を区別することが大切です。生成するコマを増やすだけでは、元の作画のリズムまで改善されるわけではありません。
シーンチェンジ時の画面の歪み
カットが切り替わる位置では、異なる場面をつなぐ中間フレームが歪みの原因になります。シーン検出を有効にし、切り替わり部分を補間しない設定で確認します。検出を調整しても崩れる場面は、カットごとに分けて処理すると切り分けやすくなります。
重複フレームによるカクつき
同じ絵が続くアニメでは、その繰り返しが演出の一部です。重複フレームを一律に削除すると、動きの間や再生時間まで変わります。重複除去を使うときは、時間情報を保てる設定で短い区間を比較してください。
止め絵の間を残したいなら、その区間を補間しない判断も有効です。動きの量より作画の意図を優先した方が、自然に見える場面があります。
黒フレーム・音ズレ・GPU未使用の対処
黒フレームが入るときは、入力の読み取り、補間、動画への再結合のどこで黒くなるかを分けて調べます。GPUの変更より先に、元動画と抽出画像を確認しましょう。
- 入力形式を切り分けます。元動画を再生し、同じ位置が黒くないか確認します。抽出画像から黒い場合は、入力をH.264のMP4など読み取りやすい形式へ変換し、同じ短い区間を再処理します。
- フレームレートをそろえます。可変フレームレートなら、元の長さを保った固定フレームレートへ変換します。音ズレがある場合は、補間画像数、出力フレームレート、映像の長さを照合します。
- デコーダーを切り替えて比べます。ハードウェアデコードを使っている場合はソフトウェアデコードで同じ区間を抽出します。抽出画像が正常で補間画像だけ黒いならモデル側、補間画像も正常なら書き出し側を調べます。
- GPU実行基盤を確認します。ログに表示される処理デバイス、ドライバー、CUDAまたはVulkanの対応を確認します。ComfyUIではRIFE VFIノードがCPU側へ切り替わっていないか確認します。エンコードのGPU使用率とAI補間のGPU使用率は別です。
60fps・120fpsを選べるSmoother AI
Smoother AIはWindows・Macに対応し、24fps・30fpsの動画を60fps・120fpsへ補間してMP4・MKVで出力できます。入力から保存までを画面で管理したい方に向いています。
日本語画面で設定をまとめて管理
UniFabの日本語画面では、素材の追加、フレームレートの選択、出力設定をまとめて進められます。画像列と音声を個別に管理せず、動画ファイルから作業を進めたいときに便利です。ライセンスには年間契約と永続ライセンスがあります。
ジッターと歪みを抑える高速モデル
高速モデルは、動きの細かな揺れであるジッターと歪みを抑える設計です。速い動きや線画を含む素材では、プレビューで輪郭のつながりを見て設定を選びましょう。
日本語で設定を進め、60fps・120fpsの動画を保存したい方は、 Smoother AIの機能と利用条件 を確認して導入を検討してください。
UniFabで動画を60fps・120fpsに変換する手順
動画を読み込み、目標フレームレートと保存先を設定して処理を開始します。インストーラーは公式のダウンロード入口から入手します。
- UniFabを開き、「すべての機能」の「動画AI」から「フレーム補間」を選び、動画を追加します。
- 出力フレームレートを60fpsまたは120fpsから選びます。
- 「設定」で出力品質、解像度、保存形式を指定します。
- 出力先を選択し、「開始」を押します。
書き出したファイルは、実際に視聴する端末で動きと音声を確認します。
FAQ:RIFEとフレーム補間に関するよくある質問
モニターのフレーム補間とRIFEは何が違いますか?
モニターの補間は表示する段階でフレームを作り、元の動画ファイルは変えません。RIFEで動画を書き出す場合は、生成したフレームが保存ファイルに含まれます。別の端末へ渡しても同じ補間結果を再生したいなら、ファイルへの書き出しが適しています。
RIFEはゲームをリアルタイムで滑らかにできますか?
動画プレイヤーでRIFEを使う仕組みは、ゲーム内のDLSS Frame Generationとは異なります。対応プレイヤーやプラグインを用意しても、ゲーム自体にそのまま組み込めるわけではありません。録画済みのゲーム動画を処理する用途と、プレイ中の表示を生成する用途を分けて考えましょう。
RIFEで補間すると動画の再生時間は変わりますか?
生成したフレーム数に合わせて出力フレームレートを設定すれば、再生時間は保てます。高いフレームレート用に作った画像列を低いフレームレートで再生すると、スローモーションになります。通常再生とスロー再生では、同じ画像列でも設定が異なります。
補間倍率を上げるほど画質も良くなりますか?
補間倍率を上げても、解像度や元映像の細部は増えません。増えるのは生成フレーム数と処理負荷です。輪郭の細部を補う 動画の高画質化 は、動きを補うフレーム補間とは目的が異なります。
まとめ:用途に合うRIFEフレーム補間を選ぶ
Windowsで画面操作を中心に進めるならFlowframes、処理の組み合わせにはComfyUI、既存の画像列処理の自動化にはコマンドラインが向いています。日本語画面でフレームレートから保存まで管理したいなら、UniFabを検討できます。
最初に短い場面で輪郭と音声を確認し、その設定を長い素材へ広げましょう。高いフレームレートだけを目標にせず、書き出した後も元の再生時間と動きの印象を守ることがポイントです。
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