結論から言えば、インターレース解除は、異なる時刻のラインを組み直して動く場面の横縞を抑える処理です。HandBrakeでは、混在素材は検出DefaultとDecomb、プログレッシブ素材は解除Offを起点にします。私は、フィルター名で決めるより、元映像に合う設定を短い出力で確かめるほうが、不要な処理を避けられると考えます。

インターレースとは何か
インターレースとは、映像を奇数ラインと偶数ラインに分け、二つのフィールドを交互に表示する方式です。異なる時刻のフィールドをそのまま重ねると、動く輪郭に横縞が出ます。この櫛状の縞がコーミングノイズで、インターレース解除はフィールドからプログレッシブのフレームを作る処理です。
日本のテレビ放送で長く使われてきた方式のため、ビデオテープのデジタル化素材やテレビ録画に含まれています。再生機器が適切に解除しないと、パソコンやスマートフォンでも動きの速い場面に縞が目立ちます。
解除では、フィールドにないラインを補間して一枚のフレームに組み直します。補間とは、周囲の情報を使って画素を補うことです。方式を変えると、輪郭や動きの見え方も変わります。
HandBrakeのフィルタータブで選ぶインターレース解除設定
HandBrakeのインターレース解除設定は、「フィルタ」タブで選びます。「インターレース検出」は処理対象の判定、「デインターレース」は解除方式の指定です。二つを分けて理解すると、素材に合う組み合わせを選びやすくなります。
フィルタータブへのアクセス方法
HandBrakeで動画ファイルを読み込んだあと、画面中央にあるタブ一覧から「フィルタ」を選びます。このタブには以下の項目が含まれています。
- インターレース検出(Interlace Detection):コーミングを検出して処理対象を判定します。
- デインターレース(Deinterlace):解除に使うフィルターを選びます。
- 逆テレシネ(Detelecine):テレシネによるフレームの周期を戻します。
- ノイズ除去(Denoise):ザラつきやランダムノイズを軽減します。
インターレース解除の中心となるのは「デインターレース」の選択です。
HandBrakeのDecomb・Yadif・Bwdifの違い
YadifとDecombの違いは、解除方式と検出の役割を分けて捉えると理解しやすくなります。Yadifは高速な解除フィルターで、Decombはコーミングが検出された部分を対象に処理するために使います。
- Off:解除フィルターを使いません。プログレッシブ映像に不要な処理をかけない設定です。
- Yadif:周辺のラインや前後のフレームを利用して補間します。EDIと同じ方式ではありません。
- Decomb:検出と組み合わせてコーミングを処理します。EEDI2はDecombで使う補間方式です。
- Bwdif:YadifとBwdifの違いには補間方式があります。Bwdifはw3fdif補間に関連する方式を利用します。これはHandBrakeの独立した選択項目ではありません。
| 素材 | 検出 | 解除方式 | Bob | 確認する点 |
|---|---|---|---|---|
| プログレッシブ | 不要 | Off | 使わない | 元映像の輪郭 |
| 両方式の混在 | Default | Decomb | 動きを見て選択 | 縞と不要な処理 |
| 全フレームに解除が必要 | Off | Yadif・Bwdifなど | 出力に合わせる | 動きと横縞 |
選び方の決め手は、動く輪郭に横縞が残るか、解除後の動きが自然かです。同じ場面を比べると、方式の名前だけでは見えない差を判断できます。
インターレース検出の扱い方
インターレース検出は、映像全体の形式表示とは別に、コーミングを判定する設定です。検出Offは判定を使わない指定であり、解除そのものを止めるデインターレースOffとは異なります。具体的な切り替えはSTEP 4で行います。
HandBrakeでのインターレース解除:手順ステップ

HandBrakeでインターレース解除を行う流れは、読み込み、保存形式、解除方式、検出、出力確認の五段階です。元ファイルとは別の保存先を選び、動きのある短い範囲で設定を確かめてから全体を書き出します。
STEP 1:HandBrakeを起動してファイルを読み込む
HandBrakeを起動し、「ファイルを開く」ボタンをクリックするか、動画ファイルをウィンドウにドラッグ&ドロップします。DVDフォルダやISOファイルも読み込めます。
STEP 2:出力フォーマットと保存先を設定する
「概要」タブで出力コンテナのMP4またはMKVを選択します。保存先は画面下部の「保存先」欄で指定してください。MP4・MKVという格納形式、映像を圧縮するコーデック、インターレース・プログレッシブという走査方式は別の項目です。
STEP 3:フィルタータブでインターレース解除を設定する
「フィルタ」タブを開き、「デインターレース」欄で、素材選択表に合うフィルターを指定します。混在素材ではDecombを起点にしてください。各フィールドの動きをフレームとして残したいときは、Bobを選びます。
Bobの出力には「動画」タブの設定も合わせます。毎秒29.97フレーム・59.94フィールドの素材から59.94pを出す場合は、出力フレームレートを59.94fpsにし、ピークフレームレートを使う場合も上限を59.94fpsにします。30fpsの上限を残さないでください。59.94pの保持と60fps固定への変換は別の操作です。
STEP 4:インターレース検出の設定を確認する
混在素材では、「インターレース検出(Interlace Detection)」をDefaultにし、Decombと組み合わせます。動く場面の短い範囲を出力し、横縞が残るか確認してください。
縞が残り、解除が必要なフレームが処理されていないときは、検出をOffにして解除方式を指定した出力を比較します。全フレームに解除が必要な素材も、この組み合わせで確認します。検出Offだけでは解除処理は始まらず、デインターレースをOffにすると解除自体が無効になります。
STEP 5:エンコードを開始してプレビューを確認する
「動画」タブの固定品質では、RF値で画質と容量のバランスを調整します。RFは固定品質を数値で指定する尺度です。x264・x265の目安はSDが18〜22、1080pが20〜24、4Kが22〜28で、数値を小さくすると画質と容量が増します。ハードウェアエンコーダーには、この目安をそのまま当てはめないでください。
解像度は元素材を基準に設定します。むやみに拡大せず、まず元の大きさで輪郭を確認してください。「変換」ボタンで短い出力を作り、動く場面の縞、輪郭、ファイル容量を確かめます。設定が決まったら全体をエンコードします。
HandBrakeのインターレース解除の限界と注意点
HandBrakeで縞が残るときは、元ファイルの映像と出力の表示を分けて確認します。走査方式の情報がプログレッシブでも、映像に横縞が焼き込まれている素材はあります。形式表示だけで解除の要否は決められません。
元ファイルの動く場面を開き、走査方式の情報と実際の縞を見比べます。短い出力を別のプレーヤーでも再生し、一方だけで縞が見えるときは、プレーヤー側の解除設定や表示を確認してください。出力そのものに縞がある状態と、再生時の表示問題を切り分けられます。
ぼやけは、解除時の補間と再圧縮のどちらでも生じます。インターレース解除は横縞を抑える処理であり、輪郭や解像感を整える MP4動画の画質補正 とは別です。元ファイルを残して比較し、ザラつきも横縞とは別の症状として見てください。
出力後半でも音声と映像のずれを確認します。冒頭の短いプレビューで問題がなくても、全体の仕上がりは通して確かめることが大切です。
扱うのは、自分で撮影した映像など利用権限のある素材にしてください。適用法令と利用条件に従い、許可なく配布しないでください。
AIを活用したインターレース解除とローカル処理

AIモデルを選んで解除する方法もあります。クラウドへ映像をアップロードしたくないときは、パソコン内で完結するローカル処理が適しています。HandBrakeもローカルで処理するソフトです。
UniFabのDeinterlace AI
UniFabの Deinterlace AI は、Windows・Macに対応し、最高4K、MP4・MKV、H.264・H.265で出力するインターレース解除用ソフトです。AIモデルの選択と、映像をアップロードせずに処理できる点が特長です。
- モデル選択:標準モデルのLineaと、高品質モデルのFluxorを用意しています。
- 出力設定:最高4K、MP4・MKV、H.264・H.265に対応しています。
- ローカル処理:パソコン内の映像を、クラウドへアップロードせずに扱えます。
個人の記録映像を手元で処理し、モデルを選んで仕上がりを比べたいときに向いています。終身ライセンスも選べるため、継続して素材を処理する用途に合わせて利用期間を選べます。対応形式とモデルを確認し、扱いたい映像に合わせて検討してみましょう。
ツール比較表
インターレース解除ソフトを選ぶ際は、対応OSと処理の用途を合わせます。動画変換を中心に使う製品と、解除や画質補正を中心に使う製品では、設定の入り口が異なります。
| 製品 | 対応OS | 主な用途 |
|---|---|---|
| HandBrake | Windows・Mac・Linux | 動画変換 |
| Deinterlace AI | Windows・Mac | インターレース解除 |
| VideoProc Converter AI | Windows・Mac | 動画変換・編集 |
| HitPaw VikPea | Windows・Mac | 動画の画質補正 |
資料:HandBrakeフィルター解説、UniFab「Deinterlace AI」、VideoProc Converter AI・HitPaw VikPea製品情報(2026年10月時点)。HitPaw VikPeaの旧名はHitPaw Video Enhancerです。
無料で解除方式や出力を細かく調整したいならHandBrakeが合います。モデルを選んでローカルで解除したいならUniFabが合います。
Deinterlace AIの使い方
UniFab の操作画面では、解除モードを選んでファイルを追加し、出力設定を指定します。
STEP1:ダウンロード&インストール
{{DOWNLOAD_BTN_1}}上のダウンロードボタンからインストーラーを取得し、パソコンにインストールします。
STEP2:「インターレース解除」モードを選択
ソフトを起動し、左側の「すべての機能」から「動画AI」の「インターレース解除」を選びます。「+」をクリックしてファイルを追加してください。
STEP3:インターレース解除を開始
モデルと出力設定を選び、「出力フォルダー」で保存先を確認して「開始」を押します。
完了後に保存先の出力ファイルを開き、元映像と同じ場面で動きや輪郭を確かめてください。
よくある質問(FAQ)
DVDの映像はすべてインターレース解除が必要ですか?
DVDという媒体だけでは決められません。インターレース、プログレッシブ、テレシネ由来の映像があるため、動く場面の横縞と元の走査方式を確認します。
アニメのDVDではインターレース解除と逆テレシネをどう使い分けますか?
解除はフィールドからフレームを作る処理、逆テレシネは放送用に変換されたフレームの周期を戻す処理です。HandBrakeのDetelecineは後者に使います。アニメという分類より、素材の変換履歴を手掛かりにしてください。
Bobを選んだのに出力が29.97fpsのままなのはなぜですか?
動画タブの出力フレームレートや上限が原因です。Bobで59.94pを出す設定はSTEP 3で確認できます。Bobだけを変更しても、出力側の制限は変わりません。
MP4に保存するだけで横縞は消えますか?
MP4は格納形式なので、それだけでは消えません。走査方式の情報だけをプログレッシブに書き換えても、画面に残った横縞は変わりません。
インターレース解除をしても無劣化で保存できますか?
解除では画素を再構成するため、元の情報をそのまま保つ処理ではありません。通常の非可逆圧縮では再圧縮による変化も加わります。RFの調整も、失われた情報を戻す操作とは異なります。
Windows・Mac・Linuxで使う場合、解除設定は共通ですか?
HandBrakeはWindows・Mac・Linuxに対応し、解除方式と検出、出力フレームレートを組み合わせる考え方は共通です。画面の表記や配置はバージョンと環境で異なります。
まとめ
HandBrakeのインターレース解除は、元映像に処理が必要かを判断し、出力の横縞・輪郭・動き・音声のずれを確かめて仕上げます。
無料で細かく設定したいときはHandBrake、AIモデルを選んで手元の映像を処理したいときはDeinterlace AIが用途に合います。元ファイルを残して、仕上がりを見比べながら選んでください。
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